今年は、ベトナム人が関係したとみられる犯罪が頻繁に報じられています。特に大きく報じられ、インパクトも大きかったのは、豚や鶏といった家畜などを大量に盗んだとしてベトナム人が逮捕された事件でしょう。(この事件は、その後不起訴となりました)
他にも、殺人事件や強盗事件といった凶悪犯罪も毎月報道されていると言っても過言ではありません。
なぜこれほどまでにベトナム人による犯罪が増えてきているのか、簡潔にキュッとまとめると

  • 優秀なベトナム人が日本で活躍するようになった
     ↓
  • ベトナム人材のニーズが高まった
     ↓
  • 郷に入っても郷に従わないベトナム人が、日本に来るようになった

ということになります。 まずは、ベトナム人材として近年急増している「ベトナム人実習生」に焦点を当てて、詳しく解説していきます。

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ベトナム人実習生の急増のワケ

実習生はベトナム一辺倒に

1993年に技能実習制度が始まって以来、実習生と言えばほとんどが中国人でした。しかし、中国も経済成長を進め、日中関係も変遷する中で実習生についても「チャイナ・プラス・ワン」が求められるようになりました。そこで日本企業の目に留まったのがベトナムでした。ベトナムは日本ともそれほど離れておらず、当初ベトナム人はマジメで勤勉だと言われていました。
(もちろん、今も大多数のベトナム人はマジメで勤勉です)
ベトナム人実習生の数は順調に増え続け、2016年に初めて中国人実習生の人数を超えました。厚労省の発表によると2019年10月末時点のベトナム人実習生は約19万4,000人で断トツ一位となっています。

日本に来るベトナム人実習生に変化

ベトナムの人口は約9,467 万人と東南アジアとしては多いほうですが、とはいえ日本やヨーロッパなど外国へ出稼ぎしようとする若者が無尽蔵にいるわけではありません。
実習生がベトナムにシフトし始めたころは、2人採用の面接に応募が10人以上集まるなど、面接に参加するだけでも狭き門でした。このため、日本語を熱心に勉強したり一生懸命仕事に取り組んだりする実習生が多く来日していました。
しかし、ベトナムへの発注が増えるにつれて、ベトナム側での人材が枯渇するようになりました。特に、ベトナム人にとっても不人気な建設業や縫製業では面接への応募がなかなか集まらないようになり、素行の良くないベトナム人でも実習生として日本に来られるようになりました。

日本人の気質も原因の一つ

実習生がベトナム一辺倒になった背景には、日本人の国民性にも要因があります。日本人は失敗を恐れる傾向が強く、知り合いの会社がベトナム人を受入れてうまくいっているのを見ると、ベトナム人が自社に合っているかどうかに関わらず、ベトナム人を受入れてしまいがちです。
特に実習生に関しては、敢えてインドネシア人やフィリピン人、ミャンマー人などを受入れようとはしません。”冒険”をして失敗すると、周りから「だからベトナム人にしとけばよかったのに」と言われるのがオチです。
このように何となく周りに合わせる日本人の気質も、ベトナム一辺倒の流れを作り、”悪い”ベトナム人を呼び込むことの一因になりました。

日本にいる多様なベトナム人

 

在日ベトナム人協会の声

在日ベトナム人には、最近日本に来た実習生もいれば、10年・20年前から日本で暮らしている人もいます。ベトナム人の犯罪が連日報道される事態となり、そういった犯罪となんの関係もないベトナム人は心を痛めています。
こういった中、在日ベトナム人らによる「在日ベトナム人協会」が声明を発表しました。一部抜粋してご紹介します。

近年の在日ベトナム人による犯罪行為の急増と、我々の対応について

両国の交流が発展するにつれて日本に住むベトナム人は日を追って急増し、在日ベトナム人による犯罪も増えてきています。特に最近、大規模な家畜や農産物の窃盗事件が発生し、各地の安全を脅かすとともに、農家の皆さんへの大きな被害を引き起こしています。
(中略)
犯罪者の割合は在日ベトナム人コミュニティーのわずか1%にも届きませんが、重大な案件が増えています。こうした犯罪行為の負の影響は非常に大きくまた広範囲に渡り、日本社会においてベトナム人に対する好感情を損なうだけでなく、偏見や差別を引き起こす危険があります。これは両国の良好な関係に悪影響を及ぼします。また、ベトナム人コミュニティー内部の犯罪は日に日に複雑さを増しており、頭の痛い問題です。

在日ベトナム人協会は、このような犯罪に強い憤りを持っており、現在の状況を座視するわけにはいかないと考えています。このような犯罪が起きたことを非常に残念に思っており、被害者の皆さんが受けた物質的、精神的な損害に心を痛めています。警察を始めとする日本の治安維持機関が一刻も早く捜査を進めて犯罪者を一掃し、適切な刑罰を与えてくださるよう望んでいます。
(以下略)

新聞・テレビの手法に注意

新聞やテレビなどは、数少ない事例を何度も取り上げて、その事例があたかも頻繁に起きているかのような印象操作します。
例えば、日本人による凶悪犯罪(殺人事件など)があれば、ニュース・ワイドショーなどで何日も報じ続け、凶悪犯罪が年々増加しているような印象を植えつけてきます。実際はというと、凶悪犯罪の件数は年々減っています。 同じように、ベトナム人による犯罪も件数としてはほんの僅かしかありません。ところが、この少数の事件を何度も取り上げ、ベトナム人の多くが物を盗んだりしているようなイメージを与えてきます。

少数の”悪い”ベトナム人、大多数の”普通の”ベトナム人

言い古された言葉ではありますが、犯罪に手を染めるベトナム人は在日ベトナム人のごく一部でしかありません。
在日ベトナム人協会は「犯罪者の割合は在日ベトナム人コミュニティーのわずか1%にも届かない」と強調していましたが、正にそのとおりです。日本に、4,000人もベトナム人犯罪者がいるでしょうか。

今までは中国人の犯罪数がトップでした。それは中国人労働者が他のどの国籍の外国人労働者よりも多かったからです。先程述べたように、ここ数年ベトナム人労働者は急増しています。それに比例してベトナム人の犯罪数も増加してきました。つまりベトナム人の犯罪数が目に付くようになった理由は、ベトナム人の労働人口が増えたからというのが一因です。

在日ベトナム人には実習生だけではなく、エンジニアとして働く人、日本語検定1級を取って通訳として働く人、大学教授など様々な仕事に就いている人がいます。普通のベトナム人は日本社会のルールを破ることなく、私達の社会を支えてくれています。

まとめ

メディアの力は絶大で、「ベトナム人」というと「あ〜、あの豚とか盗んでた」というように、一種のレッテルを貼られた状態になってしまいました。
しかし、これまで見てきたように、在日ベトナム人は多様で、私達個人がベトナム人と接するときは先入観なく接することが大切です
また、今後ベトナム人の採用を考えている企業は、面接に来たベトナム人の資質を十分に見極めることも欠かせません。日本人にとっても、ベトナム人にとっても、プラスになるベトナム人材活用をすることが大切です。

ベトナム人労働者の性格についてのブログを書いているのでご覧ください。

 

参考資料
厚労省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和元年10月末現在)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09109.html(2020.11.19閲覧)
外務省「ベトナム社会主義共和国(Socialist Republic of Viet Nam)基礎データ」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/vietnam/data.html(2020.11.19閲覧)
一般社団法人 在日ベトナム人協会 2020.11.9投稿
https://www.facebook.com/1647681838586832/posts/3679714965383499/