今回は【特定技能】の製造3分野のうち素形材産業について解説いたします。

素形材産業の現状

素形材産業分野に関連する職業分類における有効求人倍率(平成 29 年度)は 2.83倍となっています。つまり3人分の求人があっても1人しか応募がないというのが現状です。その中でも鋳物製造工は3.82 倍、鍛造工4.32 倍、金属プレス工2.97 倍となっている等、深刻な人手不足の状況にあります。

素形材部品に対する需要が高まる中、平成 29 年度の人手不足数は、素形材産業に関連する有効求人数と有効求職者数の差から3万人も開きがあります。5年後には、年2%程度と予測される素形材需要の拡大とこれに伴う労働需要の拡大が続くと、6万 2,000人の人手不足が生じるのではないかとされています。

そんな中、素形材産業分野全体で最大21,500人の外国人を受け入れることを決め、【特定技能】素形材産業の在留資格ができました。

在留資格【特定技能】とは

初めに特定技能とは2019年4月にできた新しい在留資格になります。日本の現場業務(単純労働)の人手不足を解消するため作られました。
特定技能で就労可能な業務は決まっており、14業種あります。特定技能には1号と2号がありますが2号は建築業と造船・船用工業の2つしか今のところ可能な業務はありません。
雇用形態は直接雇用のみで派遣は認められていません。最大5年間の在留が可能です。

【2021年最新版】3分でわかる、特定技能ビザとは?就業可能な職種は?

特定技能の14分野の中に製造業には3分野あり
①素形材産業 ②産業機械製造業 ③電気・電子情報
です。今回はその中でも素形材産業について解説いたします。

【2020】製造業・工場での外国人の雇用を徹底解説!

素形材産業に当てはまる事業所

【特定技能】素形材産業で外国人を雇用しようと考えている場合、まず受け入れ先の事業所が以下の産業分類に当てはまることが必要になります。

  • 2194 鋳型製造業(中子を含む)
  • 225 鉄素形材製造業
  • 235 非鉄金属素形材製造業
  • 2424 作業工具製造業
  • 2431 配管工事用附属品製造業(バルブ、コックを除く)
  • 245 金属素形材製品製造業
  • 2465 金属熱処理業
  • 2534 工業窯炉製造業
  • 2592 弁・同附属品製造業
  • 2651 鋳造装置製造業
  • 2691 金属用金型・同部分品・附属品製造業
  • 2692 非金属用金型・同部分品・附属品製造業
  • 2929 その他の産業用電気機械器具製造業(車両用、船舶用を含む)
  • 3295 工業用模型製造業

当てはまらない場合は、産業機械製造業分野電気・電子情報のどちらかの可能性があります。

素形材産業で就労可能な業務内容

【特定技能】素形材産業に事業所が当てはまる場合、外国人が実際に業務可能な職種は13個あります。

  1. 鋳造
  2. 鍛造
  3. ダイカスト
  4. 機械加工
  5. 金属プレス加工
  6. 工場板金
  7. めっき
  8. アルミニウム
  9. 仕上げ
  10. 機械検査
  11. 機械保全
  12. 塗装
  13. 溶接

この特定技能「素形材産業」を取得するには2つ条件があり
①製造分野特定技能1号試験の合格
②日本語能力試験のN4以上 or 国際交流基金日本語基礎テスト

の2つが必要になります。

ここで注意が必要なのは、特定技能「素形材産業」を取得する際に合格した試験内容のみ従事可能ということです。試験内容は後ほど話します。
しかし同内容に従事している日本人が通常行なっている一般業務であれば、一定量なら認められます。
① 原材料・部品の調達・搬送作業
② 各職種の前後工程作業
③ クレーン・フォークリフト等運転作業
④ 清掃・保守管理作業
このような業務は付随的な従事なら可能です。

製造分野特定技能1号試験

特定技能の14業種のうち、製造業の「①素形材産業 ②産業機械製造業 ③電気・電子情報」
は試験が統一されています。
雇用する外国人に従事させたい業務内容の試験に合格することが必要になります。

鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、鉄工、工場板金、めっき、アルミニウム陽極、酸化処理、仕上げ、機械検査、機械保全、電子機器組立て、電気機器組立て、プリント配線板製造、プラスチック成形、塗装、溶接、工業包装

現状、この技能測定試験が行われたのはまだ1回なので技能実習→特定技能への移行が主流となっています。2回目の試験は2020年10月25日に予定されています。(溶接は11月に予定)

技能実習から【特定技能】素形材産業への移行

在留資格である技能実習から特定技能への移行によって最長10年間従事することができます。

技能実習1号(1年間)➡︎2号(2年間)➡︎3号(2年間)➡︎特定技能(最大5年間)

そして技能実習の頃に従事していた業務内容と、特定技能として従事させようとしている業務内容が同じ場合、特定技能取得の際の技能測定試験(製造分野特定技能1号試験)が免除されます。
なので技能実習(2号以上)から特定技能の移行は同じ業務であれば比較的簡単に行うことが可能です。

まとめ

いかがでしょうか。
製造業で特定技能の在留資格で外国人を雇用する際は受け入れ先の事業所が
①素形材産業 ②産業機械製造業 ③電気・電子情報
のどれに当てはまるかを確認しましょう。もしどれかに当てはまる場合はその分野に含まれている業務内容が雇用する外国人に任せる業務と一致するかどうかをチェックしましょう。