在留資格とは

外国人が日本に滞在するために必要なのが「在留資格」です。数日間日本にいるだけの観光客でも、最長で5年間日本にいる特定技能外国人でも、日本に滞在する外国人は全員在留資格を持っています。
在留資格のことを「ビザ」と呼ぶ人も多いですが、正確には在留資格=ビザではありません。ビザとは、日本の在外大使館が来日を希望する外国人に発給する「査証」のことです。
ビザは入国するのに必要なモノ
在留資格は滞在するのに必要なモノ
という考え方が一番単純でわかりやすいでしょう。

今回解説するのはビザ(査証)ではなく在留資格についてですので、ぜひこの点をご注意下さい。

在留資格の種類と在留カード

在留資格の種類

2020年9月現在、29種類の在留資格が設けられています。例えば外国人観光客に与えられる在留資格は「短期滞在」です。外国人を雇用する際によく聞く「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」も在留資格の一つです。在留資格には下位分類があるものもあり、特定技能であれば「特定技能1号」と「特定技能2号」があります。他にも、名前が似てますが「特定活動」という在留資格は下位分類が多く、一定の条件下で建設業で就労できる「建設就労者」であったり、新型コロナウイルスの影響で帰国できない実習生が就労を継続するための在留資格も特定活動です。
また、在留資格には、大きく分けて就労が認められている資格と、就労が認められていない資格があります。

出典:出入国在留管理庁

上の表の左半分は、就労が認められている在留資格です。ただし、在留資格内で自由に転職ができるものと、転職に一定の制限が定められているものがあります。

在留カード

在留資格のうち、「特定技能」や「技能実習」など短期滞在以外の在留資格を持っている外国人は「中長期在留者」と総称され、中長期在留者には在留カードが交付されます。

出典:法務省

在留カードには氏名や生年月日のほか、在留資格や有効期限が記載されています。在留カードの交付を受けた人は、身分証として在留カードを常時携帯しておかなければなりません。うっかり家に置いて出掛けて警察官から職務質問を受けるなどすると、在留カード不携帯として20万円以下の罰金が科せられこともあります。
また、外国人を雇用する際は、在留カードを確認することが非常に重要になってきます。まず確認することは、在留カードが本物かどうかです。ニュースなどで度々報じられているように偽造在留カードを作るグループもあり、偽造カードが各地で出回っています。在留カードには、紙幣などにも使われているホログラムや透かしといった偽造防止策が講じられているので、まずは在留カード自体をよくチェックする必要があります。

「在留カード」及び 「特別永住者証明書」の見方(法務省)

他にも、出入国在留管理庁のホームページに在留カード番号と有効期限を打ち込むだけで、その在留カードが失効しているかどうかを確認することができます。

在留カード等番号失効情報照会(出入国在留管理庁)

派遣会社から外国人を派遣してもらうときはもちろん、特定技能の外国人を雇用するときも、念のため在留カードが正規のものか確認しておくことが大切です。万が一、偽造カードを本物と信じて外国人を雇用してしまうと、不法就労助長罪に問われることも考えられます。また、一度入管法違反で刑罰を受けると、5年間は特定技能人材や実習生の雇用ができなくなってしまいます。

在留資格の手続き

在留資格の手続きは基本的に4つに分かれることが多いでしょう。
申請・変更・更新・許可です。それぞれを順番に説明いたします。

①在留資格認定証明書交付申請

漢字が13文字並びましたが、「在留資格認定証明書交付申請」とは、外国人が日本に入国するために最初に必要な申請です。審査後に交付される在留資格認定証明書は、英語の頭文字を取ってCOEとも呼ばれます。
申請書は、日本に入国するときの在留資格に応じてフォーマットや添付書類が異なっています。申請してから審査が終了するまで1カ月〜3カ月掛かり、場合によっては追加で書類の提出を求められることがあるので、余裕を持って申請すること必要です。
審査が終了してCOEが交付されれば、これを現地の日本大使館へ提出することで、ビザ(査証)が発給される運びとなります。

②在留資格変更許可申請

略して資格変更と呼ばれる手続きで、現在保有している在留資格を変更するための申請です。例えば、実習生から特定技能に移るときは、「技能実習」から「特定技能」へ変更するための申請を行います。
資格変更は通常2週間〜1カ月で審査結果が出ますが、添付書類の準備に時間が掛かります。きちんとスケジュールを立てて手続きを進めないと、予定していた日までに資格変更の許可が出ないことになってしまいます。

③在留期間更新許可申請

略して期間更新と呼ばれる申請で、文字どおり、在留期間を更新するための申請です。例えば在留資格「特定技能1号」の場合、最長で5年間の就労が可能となりますが、最初から在留期間5年の在留カードが発行されることはありません。特定技能1号の場合は在留期間1年として在留カードが発行されるのが一般的なので、1年ごとに期間更新の手続きを行う必要があります。
期間更新の場合、申請さえしておけば在留期間をオーバーしても2カ月は就労を続けられますが、計画的な手続きを心掛けましょう。

④資格外活動許可申請

この手続きは、留学生がアルバイトをするためによく行われるものです。
在留資格ごとに認められている活動、認められていない活動があるということは前述しましたが、留学生は学業を修めることを認められているに過ぎません。このため、在留資格で認められていること以外の活動(アルバイト)をするために、この手続きが必要になります。
ちなみに、資格外活動の許可が出ても週28時間までしかアルバイトできません

在留資格の取消

一度在留資格が付与されても、取消されることがあります。
虚偽の申請をして在留資格が付与されたような場合はもちろんのこと、付与された在留資格に応じた活動をしていなかったときも、在留資格の取消原因となります。具体的には、技能実習の在留資格を付与された実習生が、失踪して技能実習をしていないような場合です。
在留資格の取消は、2017年までは多くても300件台後半でしたが、2018年度は832件、2019年度は993件と急増しています。在日外国人が増加するにつれて、入管も取締りを強化しているものと思われます。

まとめ

私達も旅行や出張で外国へ行くことがありますが、旅行先での活動については各国が様々な制限が設けています(実際に感じることは少ないかもしれませんが)。同じように、日本に来る外国人も、在留資格に応じた活動のみが認められています。
これに違反すると外国人が摘発の対象になるのはもちろんのこと、知らないうちに加担してしまって自分や自分の会社が摘発の対象になってしまうこともあります。
外国人を雇用するときは、在留資格そのものや在留資格の手続きに注意しましょう。